「天職」を探して疲弊している人は意外とたくさんいます。
才能を十分に生かした仕事を楽しそうにこなしている人を見て羨ましく感じるのはもっともです。
「天職は何か?」と悩みながら定年を迎えてしまう方も少なくありません。
天職を探して疲弊している人には「適職を探す」方向に意識を向けることを意識してほしいものです。
この記事では、なぜ天職よりも適職を見つける方が大切なのか、適職をどうやって見つければいいのか、について詳しく見ていきます。
まずは天職を探している人が抱えている現実的な悩みをいくつか紹介していきます。
今の仕事を好きになれず、自分の好きなことを仕事にしたい、心から天職と呼べる仕事を探している人がいます。
仕事が好きだと感じることができないと、会社に行くのも面倒で、手を抜きたくもなります。
退屈な毎日に嫌気がさし、どうにかしてやりがいのある仕事を見つけたいと悩む人が多くいるのです。
しかし、幸せそうに仕事をする人も、好きな仕事でご飯を食べていると感じている人は一握りです。
好きな仕事という定義もあいまいで、良くわかりません。
与えられた仕事を徐々に適職に変え、置かれた環境に順応しながら働く、結果として「仕事が好き」になった、という方が多い事を覚えておいてください。
ある程度の年齢になってくると、自分が腰を据えて働ける会社を探したくなります。
今の会社や仕事に不満を抱えて、「無駄に年齢を重ねている気がする」と感じている人は多くいます。
好きだと感じることができない仕事を行い、人間関係に神経をすり減らし、帰路につく、そうした毎日の繰り返しに嫌気がさしてくるのは当然の心理です。
年齢を重ねるごとに、リストラ・老後の不安は大きくなり、精神的な焦りも出てきます。
若い時以上に強いストレスを抱えながら働いている人は多くいます。
仕事に充実感を感じないままでサラリーマン生活を終えそうな方が「天職」を求めてしまうのは無理もありません。
人生を豊かなものにするために、天職と適職の違い理解しておく必要があります。
では、それぞれには一体どのような意味があり、どのような違いがあるのでしょうか。
詳しく見ていきましょう。
天職を広辞苑で探してみると下の
てん-しょく [1] 【天職】
引用元:広辞苑無料検索
〔天から与えられた職務の意〕
(1)その人の性質・能力にふさわしい職業。「教師を―と考える」
(2)神聖な職業。特に,天子が国家を統治する職務。
(3)江戸時代の遊女の階級の一。天神(テンジン)。
プロ野球選手、芸能人、芸術家、などの華やかな仕事をイメージする方が多いと思います。
しかし、天から与えられた才能、その人の性格や能力にふさわしい職業を獲得して続けるのは簡単ではありません。
限られた時間で天職を探しつづけるのは多くの方にとって合理的な選択と言えないのではないでしょうか?
適職というのは、自分に向いている仕事のことを指します。
わかりやすく言えば、「特に好きではないけど、こなせてしまう」仕事です。
苦労なくできる、それほど疲れを感じずにできる、これは相当な強みです。
こうした仕事にかかわっていると、仕事のストレスは少なく、達成感は大きくなります。
適職をそつなく沢山こなす経験を積み重ね、その仕事が「天職」と感じられるようになる話しも良く聞きます。
「あなたの適職はこれです!」と占い・適性診断のように他の人が適職を決められるものではありません。
そこで、ありふれた仕事を「適職に変える」3つの心がけを紹介します。
環境が変わると、まさに「水を得た魚」のように生き生きと活躍する方がいます。
会社の経営者や人事担当者にとっても従業員を適材適所で配属するのは最も重要な経営課題の一つです。
より良い環境での仕事を模索するのは社員にも経営者にもメリットがありますので、「自分にあった仕事を探す努力」は両者の観点から望ましいアプローチになります。
例えば、
エンジニアとして優秀で評価を得ていた方が、営業職に転換した途端に成果が出なくなり、プレッシャーで心身の不調を訴える、
優秀なトップ営業マンが管理職に昇進したとたんに「やる気」がなくなって会社の売上が減少。元トップ営業マンは退社して他の会社で営業現場にもどって活躍中、
といったケースをよく耳にします。
どんなに業績が良く、世間体の良い会社で働いたとしても、自分に合った役割でないと活躍するのは難しいものです。
自分の向き、不向きを冷静に分析、正しく把握した上で、やりたい・興味ある事をアピールし続ける努力こそが適職を見つける近道です。
適職が目の前に現れるのを漫然と待ってはいけません。
積極的に探す努力が適職獲得への第一歩です。
仕事を「適職に変える工夫」も必要です。
会社の仕事はチームで行うことが多く、自分という人間の特性や感性にピッタリとはまる仕事が存在するはずです。
そうした仕事・役割を与えられた仕事の中で探してみましょう。
自分が貢献できる役割を与えられて努力した経験は、あなたの経歴にとって大きなプラスになるはずです。
仕事が結果として成功したかどうかの事実以上に、経験が大きな意味を持ちます。
そうした経験の積み重ねが、「仕事を適職に変える可能性」を大きくするはずです。
環境を変える際に注意すること2つと対処する有効な手段を紹介します。
青い鳥を探し続け、身近な幸福に気がつかなかった「青い鳥」の寓話が参考になります。
「もっと幸せな何か」や「より高い理想像」を追い求めてしまう心理状態・視野狭窄に陥ってしまっては、目の前の幸せに気づきません。
また理想を追い求めて転職を繰り返したところで、「思っていたのと違う」と転職を重ねてはジョブホッパーとなってしまい自分自身の市場価値を下げてしまう可能性があるので要注意です。
自分の才能や情熱がそちらに向いていて、環境を変える意味を感じていても、転職は一人で決められません。
「家族ブロック」「嫁ブロック」など、周囲の意見に流されて現状維持に留まってしまう方も少なくありません。
自分自身の凝り固まった考えから「動くリスク」を高く評価し過ぎて、悩みばかり大きくなって何も行動に動けない人が本当に多くいます。
こうした問題の対処するには、リスクが少なく簡単に経験が積めることで経験を積み、徐々に確信を強めていく「スモールスタート」が有効です。
「今の職場でもっと役に立つ可能性がないか」「仕事・お金に関係なく、副業やボランティアで好きな事を始められないか」広い可能性を普段から気軽に模索している人に仕事は集まりがちです。
気軽に挑戦、合わなければ撤退、を繰り返す事で経験値は上がります。
常日頃から新しいことをやってみたい気持ちを周りにアピールすることで周りの評価はあがり、声に出すことで自分の思考も整理されます。
いざという時に周りからの賛同も得られやすくなり、「適職」となる仕事にかかわる可能性は増えるでしょう。
チャンスが訪れた時に小さくスタートする準備がととのっていると、キャリアの大きな転換点で変化に乗り遅れる可能性を減らせるはずです。
関連記事:転職活動のスタートダッシュ!動けない自分を「すぐに」動かすための方法
与えられた今の仕事を適職と感じていなくても、適職に作りかえていく努力も侮れません。
適職を与えられる幸運に恵まれる方は一握りです。
仕事は選べませんし、会社のカルチャー・上司、といった外部の環境を自分で変えるのは現実問題として難しいものです。
しかし、自分から仕事への取り組み方・姿勢を変えるのは簡単です。
営業の仕事を例にとっても、成約までの進め方は人それぞれ違います。
同じ目的の仕事でも、取り組むスタイル・能力の活かし方は違っているのは当然です。
今の仕事がどうしても適職と思えない場合は、違うやり方、モチベーションの持ち方、を検討してみましょう。
その上で、自分の力で動かせない障害があった際には、業種や違う業界への転職を考えても良いと思います。
転職すると100%の適職が見つかる、と過度な期待をせずに慎重に進めるべきなのは言うまでもありませんが、転職により環境を変える努力は悪いことではなく、ネガティブに考える必要もありません。
華やかな仕事を得て活躍している人を見ると、どうしても羨ましく感じてしまいます。
しかし、天職というのは一部の才能のある人だけに許された世界であり、見つけることさえ簡単ではありません。
「天職」が見つからないと悩んでいる人は、適職を見つける、今の仕事を適職に変える行動を意識してみましょう。
適職を見つけるなら今すぐ転職をしなければ、と考えてしまう人もいるのですが、今の仕事を適職に変えることは十分に可能なはずです。
今の仕事をどうすれば適職に変えられるかに注力して、日々の仕事に励むことが適職を見つける第一歩です。
好きな事はだれでも夢中になれ、集中できます。結果も出やすいでしょう。
しかし、好きな仕事だけを選ぶことは出来ません。
わりと見逃しがちな「以外に簡単にできること」に目を向けてみて下さい。
苦にならずできる仕事(適職)をこなすことでイキイキと働ければ、天職を探し求める必要もなくなるはずです!