会社員が副業を始めることにより、収入源を複数作れますし、生活に余裕を持って将来への備えを行えるようになります。
ただ、副業から利益を得られるようになると、問題が1つ発生してきます。
それは、「税金」です。
20万円ルールという言葉を聞いたことがある人もいると思いますが、具体的に説明できる人は少ないでしょう。
そこでこの記事では、副業の税金は一体どんな仕組みになっているのか、年間20万円までの利益なら税金を納める必要がないのか、ということについて詳しく解説していきます。
結論から言ってしまうと、副業の所得が年間20万円以下なら確定申告をする必要がありません。
つまり、20万円分まるごと自分の懐に入れられるということです。
中には、
「副業を始めたら無条件で確定申告をしなければならない」
「1円でも収益が上がったら確定申告をしなければならない」
と勘違いをしてしまっている人もいます。
年間20万円、月換算16,000円前後の所得であれば確定申告の義務は発生しませんので、覚えておきましょう。
確定申告の必要があるかどうかを判断するときに覚えておくべきなのが、「収入」と「所得」の違いです。
年間20万円以下の所得なら確定申告の必要がない、とお伝えしました。
上記文章で注目してほしいのは「所得」という言葉です。
所得というのは、収入から経費を差し引いた利益、手元に残るお金、のことを指します。
例えば、年間の副収入が100万円あったとしても、経費に85万円使っている場合は、所得は15万円になります。
確定申告が必要ないのです。
副業を始める場合は、
最低でも上記3つの違いを理解しておくようにしましょう。
先ほども解説したように、税金は収入ではなく所得に対して発生してきます。
ただ、この「所得」には全部で10個の種類があるのです。
一般的な副業をめざす人にとって10個すべての種類を覚える必要はありません。
今回は多くの方の副業に関係の深い3つの所得について詳しく解説していきます。
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給与所得というのは、勤務している会社から受け取った給料から、給与所得控除額を引いた金額のことを指します。
会社員として働いている人であれば、比較的なじみのある言葉かもしれませんね。
アルバイトやパートで副収入を得ている場合は、合計で2か所から給料を受け取る形になるため、給与収入を合算して給与所得控除額が算出されます。
事業所得というのは、自分が行っている事業で得た収入から、経費を差し引いた金額のことを指します。
基本的に個人事業主やフリーランスが得た所得は、事業所得に当てはまるケースが多いです。
事業所得して認めてもらうことができれば、損益通算や赤字の繰り越し(青色申告をしている場合のみ)などのメリットを得ることができます。
ただ、副業による所得については事業所得として認めてもらえないことが多いため、注意が必要です。
雑所得というのは、簡単に言ってしまうと事業所得として認められなかった所得のことを指します。
雑所得に分類された場合、事業所得よりも確定申告の手続きが簡単になるのですが、その分節税効果が薄れてしまうのです。
副業による所得が20万円以下の場合は、確定申告の義務が生じません。
ただ、人によっては副業による所得が20万円以下でも確定申告をした方が良い場合があるのです。
医療費控除や住宅ローン控除などを受けたいと考えている場合は、副業所得20万円以下でも確定申告を行わなければなりません。
1年の間で高額の医療費を支払った人や、マイホームの購入にあたり、住宅ローンを組んだ人はしっかりと確認しておきましょう。
源泉徴収の対象になっている副業を行っている場合、確定申告をすることで税金の還付が受けられます。
税金の払いすぎを防ぐためにも、忘れずに確定申告を行いましょう。
「副業の所得が20万円以下なら確定申告が必要ない」
このルールが適用されるのは、「所得税」のみです。
住民税についてはこのルールが適用されないため、忘れずに申告するようにしましょう。
ただし、還付を受けるため、あるいは各種控除を適用するために確定申告を行った場合は手続き不要となりますので、覚えておいてください。
副業の所得が20万円を超える場合は確定申告が必要です。
ただ、確定申告を行うにあたって、
「会社にバレないかな?」
という不安が出てきてしまうでしょう。
確定申告を行うことで、住民税の額が変動します。
これにより会社に副業をしていることがばれてしまう可能性はありますが、住民税を自分で納める「普通徴収」を選択することにより、この問題は回避できます。
それよりも恐ろしいのが、同僚や上司など、仕事仲間からの密告です。
副業である程度の収入を得られるようになると、人に言いたくなってしまいますよね。
しかし、自分が副業で収入を得ていることをよく思わない人が、会社に密告してしまうこともあるのです。
このようなことを防ぐためにも、副業禁止の会社で副業を行う場合は、むやみやたらに口外しないようにしましょう。
仮に副業禁止の会社で働きながら副業に挑戦し、それがばれてしまった場合、何らかのペナルティを受ける可能性があります。
初回の場合は厳重注意で終わることもありますが、減給処分などを課させられてしまうこともありますので注意が必要です。
また、競合禁止に抵触する副業を行っていた場合、つまり会社に損害を与える可能性が高いと判断された場合は、最悪仕事を失うこともありますので、許可を取ってから始めることをおすすめします。
副業による所得が年間20万円以下の場合は、確定申告が必要ありません。
ただし、仮に年間の副業所得が20万円以下でも、各種控除を受ける場合や還付を受けたい場合は確定申告をする必要がありますので、忘れずに手続きを行いましょう。
確定申告をすることで会社に副業がばれると思っている人もいますが、確定申告によって副業がバレるのではなく、住民税の変動で副業バレのリスクが高まるのです。
これについては、自分で住民税を収める「普通徴収」に変更することで回避可能ですので覚えておいてください。
それよりも、上司や同僚、部下などからの密告によって副業がバレてしまう可能性が高いため、ある程度副業で稼げるようになっても口外しないようにしましょう。
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