ニューノーマルのサラリーマンの生き方指南

【副業を始める】何から準備するか具体的に解説

いちサラリーマンとして今後の自身の働き方に思いを馳せた時、今さら「転職」という思い切った方向転換をはかろうとは思わない。

ただ、住宅ローンや貯金、退職後の自身のキャリアなどを考えた時、「副業をするのはアリかも……」という気持ちは漠然と生まれつつある。

そんな人にとって、副業解禁やリモートワーク等の普及によって、以前よりも自由に働き方を選べるようになってきていることは大きな追い風です。

とはいえ、「副業をしたい」という思いだけで具体的に何から始めていけばよいのか、明確なビジョンが描きづらく、躊躇してしまう人もいるのではないでしょうか?

今回はそんな方のために、副業の準備にあたっておすすめの具体的なアクションプランをご紹介します。

やっぱり楽しい「自分の事業」

準備の前段階として、そもそも「何を副業にしていくか」というところで壁にぶち当たってしまう人も多いかもしれません。

  1. 「クラフトが得意だから作品を作って売る」
  2. 「特定のスポーツが得意なのでコーチとして指導する」
  3. 「撮影や編集が得意なので動画制作をする」


元々興味があったり一芸に秀でていたりする場合は特に悩むこともなく「これを副業にしよう」と踏み出すこともできるでしょう。

しかし、どちらかというと今まで仕事一筋、人からお金をもらえるような特別なスキルはこれといって思いつかないと考えてしまう人もいるのではないでしょうか。

しかし、そう言い切るのは早いです。

実際は何か特別感のあるものに限らず、本職で培ってきたスキルをそのまま副業に生かすことも十分可能なのです。

例えば、事務職の経験が豊富なら「データ入力」、採用系の経験が長ければ「就職関係の書類作成」や「面接アドバイス」、制作関係の経験があれば「デザイン・イラスト作成」にいたるまで……色々あります。

このような実務系のスキルは、クラウドソーシングサイトなどを通じて依頼を引き受けることができます。

副業のために何か特別なことをと肩肘を張らなくても、等身大の自分のスキルを「立派な副業」として成立させていくことが可能なのです。

また、そもそも自分が何を副業にしていけばいいのか分からないとこの段階で悩んでしまう人なら、手始めにクラウドソーシングサイト等を覗いてみると良いでしょう。

以下のようなストーリーを経ている人が結構いることがわかります。

【例①】
「本業ではサラリーマンとして働くことにやりがいを見出しつつも、副業ではスモールステップで無理なく進めながら、自分の才覚やアイディアだけで収入を得ています。」

【例②】
「最初は特にスキルも資格もありませんでしたが、〇〇をするのが昔から好きだったので、出品しているうちに、気づいたら受注をたくさん受けられるようにまで成長していました。」

このように、自分の力がダイレクトに収入に繋がることは大きな自信となります。

さらに、一から自分で考えてそれが形になっていったり、自分の色をそのまま出すことができたりすることで、本職とはまた違った楽しみがあるようです。

そこから軌道にのっていけば「個人事業主」、ゆくゆくは「法人化」、なんていう目標もただの夢ではなくなってくるのです。

関連記事:副業は事前準備が大切?!始める前のチェックポイント4選!

一人だけでやろうとしないで!

ようやく何を副業にするかが固まり、具体的な準備に入ろうと決意したものの、「準備」というと何となく漠然としていて、何から手をつけていけばよいか分からない。

細かな手続きなど、すべきことが意外と色々とありそうな予感がする。

何から始めようかと思っているうちに日々の仕事に追われ、時だけが過ぎてゆく……。

そんな状況を打破するためにも、まずは一人でやらずに周りをどんどん巻き込んでいくことがおすすめです。

具体的には、以下でご紹介するような支援先を利用してみてはいかがでしょうか。

国のサポートを利用しよう


人は歳を重ねていくにつれ分からないことを質問したり他人を頼ったりすることがなんとなく苦手になってくるものです。

なかなか踏み出せない時、相談したい人が周りにいない時は、手始めに国のサポートを活用してみてはいかがでしょうか?

◆厚生労働省 副業・兼業の促進に関する ガイドライン わかりやすい解説


副業・兼業の促進に関する ガイドライン わかりやすい解説』は厚生労働省が副業・兼業の促進をめざしてまとめたパンフレットです。

副業に関して企業・労働者側それぞれの立場から基本情報がまとめてあるので、基礎知識を確認しておくのに便利。

特に、自身が勤める会社側の立ち位置なども分かりやすく解説されているので、準備を進めていく中で改めて確認しておきたいことが生じた場合にも立ち戻って利用することができます。

また、このパンフレットの巻末には以下の各種相談窓口も紹介されています。

本業との労働時間の兼ね合いや、ゆくゆく法人化した際には労務管理の相談にいたるまで、より細かな疑問点が生じた際には各窓口に個別に問い合わせてみるのも良いですね。


◆都道府県労働局 総合労働相談コーナー


都道府県労働局 総合労働相談コーナーでは、職場のトラブルに関するご相談や、解決のための情報提供をワンストップで行っています。

副業や兼業に関する労働相談を受け付けています。

◆労働基準監督署


労働基準監督署では副業・兼業における労働時間管理、健康管理、労災補償についての相談ができます。

◆働き方改革 推進支援センター


働き方改革に向けて、特に中小企業・小規模事業者の方々が抱える様々な課題に対応するため、ワンストップ相談窓口として、「働き方改革推進支援センター」が47都道府県に開設されています。

◆厚生労働省ホームページ


副業・兼業の促進に関するガイドラインをはじめとして、副業・兼業に関する各種情報は厚生労働省ホームページにもまとめて掲載されています。

気になることがあれば体系的にチェックしてみましょう。

◆ハローワーク


副業としての求人検索ならハローワークを通じて行うこともできます。

自分でインターネット検索するだけでなく、本職との労働時間との兼ね合いなどから、直接窓口でアドバイスを貰いながら探してみるという方法もあります。

コンサルタントを活用しよう


最近、目にする機会の多くなった副業に関するセミナーやコンサルタント事業。

「副業 サポート」と試しに検索してみるだけでも、かなりの件数がヒットするはずです。

自分の経歴に合った副業をマッチングしたり、求人を紹介したりするサイトや、事業をスタートする場合の諸手続きをサポートしてくれるものまで、その形もさまざまです。

数日間のセミナーを受講して必要なことを学ぶものや、異業種交流会のような形をとっているものなどもあります。

自分自身の要望にぴったり合ったサポートを提供していたり、自分では思いつくことのできなかったビジネスの形に巡りあうことができるなど、なかなか意義深いセミナーやコンサルタント事業も数多く存在します。

この機会にぜひ積極的に活用してみるのも一つです。しかし、その数が多いゆえ「玉石混交」なのも事実です。

副業を進めていくにあたって抱えていた課題がクリアになるなど、有意義なものもある一方、セミナーに参加しても受講料のみ払っただけで結果的にあまり有益ではなかったと正直感じるようなものもあったりします。

運営母体をチェックして、信用性をしっかり見極めた上で利用すると安心ですね。

家族・周りに宣言する


もっとも手間のかからない方法として、ごく身近な人に「副業を始める」「副業を始めたい」と宣言してしまうというのも良いでしょう。

自分の中で漠然としていた決意を家族や友人などに宣言することで、「言ったからには後にひけない」と、無意識ながらに前へ進む機動力として働きます。

さらに宣言してみることで、意外なところから仕事が回ってきたりすることもあります。

自分の「興味」「得意分野」「好きなこと」などを日頃の会話の中で伝えられるようにしておくと、「○○が得意だと言っていたので、これを仕事として依頼してみよう」と周囲の人に思ってもらえ、少しずつ仕事に繋がっていったりする可能性も出てくるためです。

実際、動画編集が趣味で、本業の傍ら友人の結婚式のプロフィールムービーの制作を買って出ているうちに、それが評判を生み副業として成立するようになった、という実話もあります。

また、意外と口外していないだけで、実は副業歴が長かったなんて人も周囲に存在している場合もあります。

自分が副業をやりたいと話したことで「実は私、こんな副業をやってるんですよ」と、その経験やアドバイスを聞くチャンスに巡り合えるなんてこともあるかもしれません。

将来、何がどのような形で副業に繋がっていくかは分かりません。

社内外、仕事で関わりのある人は、日頃の業務やコミュニケーションを通してあなたの仕事への向き合い方や人となりを感じ取っているものです。

そのような点からも、日頃から分け隔てなくフラットな人間関係を築く意識も決して忘れないでいたいものです。

〇あわせてお読みください 

「弱いつながりの強さ」という言葉をご存知ないでしょうか?

新しくて価値のある情報はちょとした知り合いやその知り合いなど、弱いつながりからもたらされる事が多い、

引用元:1973年にスタンフォード大学の社会学者、M・グラノヴェッターが提唱

という考え方です。興味のある方は関連記事をぜひお読みください。



自治体の副業サポートを利用しよう

副業が軌道に乗り、「事業」として成立させていく手ごたえを感じたら、または始めから創業を視野に副業を考えている場合は、自治体の起業・創業サポートもおすすめです。

必要な知識や手続き上のサポートを受けられるので、ゼロから始めるにあたって効率的に進めていくことができます。

例:TOKYO創業ステーション

TOKYO創業ステーションは東京都が設立した(公財)東京都中小企業振興公社が運営する創業支援施設です。

起業に「興味がある」という段階から「実際に準備をしたい」という人を対象に広く支援メニューを提供しています。

都内で起業を予定している人であれば、都民でなくても利用することが可能です。

メンバー登録は無料で、起業・創業に関する相談やイベント・セミナー、専門家の事業計画支援などを受けることができます。

ビジネスアイデアのブラッシュアップやディスカッションだけでなく、担任制の中小企業診断士等の専門家による事業計画の策定支援、融資に関する相談、弁護士・税理士等の専門相談窓口も設置されています。

拠点のPlanning Portは、丸の内と立川の二ヵ所。両拠点で事業計画策定支援(プランコンサルティング)、女性向けセミナーやその他セミナーを開催しています。

丸の内ではこのほか、専門相談(労務、税務、法務等)、融資相談、創業助成金、TOKYO起業塾を実施しています。立川では、専門相談(資金調達、マーケティング等)、テストマーケティング支援も実施しています。

同じような志をもつ仲間と出会えるイベントやセミナーなどもあるので、居住地や相談内容に応じてそれぞれの拠点でサポートを受けてみるのもよさそうです。

例:渋谷区 創業支援事業

さらに、全国の市区町村が行っている創業支援事業の活用もおすすめです。

ここでご紹介するのは渋谷区の例です。

渋谷区の創業支援事業では、渋谷区で創業予定・創業して5年に満たない人を対象にオンラインセミナーを行っており、創業に必要な各種知識の習得やビジネスプランを完成させ発表することを目標としています。

また、中小企業診断士である講師陣による個別相談も行われているので、自身が居住する自治体でこのようなサポートを受けることができるのは心強い限りです。

さらにおすすめのポイントが、渋谷区の創業支援等事業計画に基づく特定創業支援等事業という位置づけで、このセミナーを合計5日間受講することで特定創業支援等事業を受けたことの証明書を受けることができるという点です。

交付には別途申請が必要ですが、この証明書があると法人設立時に登録免許税の軽減などの優遇や融資の際に有利に働くというメリットがあります。

「融資」と聞くと躊躇してしまう人もいて、資金不足を理由に起業を断念してしまう人も中にはいます。

融資を受けられるということはそれだけの価値や社会的信用があるということでもあるので、融資を利用することを視野にこのような起業を応援する制度を存分に活用すると良いでしょう。

今回ご紹介した渋谷区のようなサポート事業は、全国の各自治体で提供されています。

年度ごとに受講者を募集していたり、応募が定員に達してしまうと早い段階で募集を締め切ったりしてしまうこともあるので、居住する自治体のホームページなどで情報をこまめにチェックしてみましょう。

〇あわせてお読みください 

手元資金がたまっていないことを理由に起業に踏み出さない方がいます。
融資は信用の証であり、「借金は悪いこと」では決してありません。
融資を上手く利用する経営者になりたいものです。

まとめ:準備のコツは「タスクを一つ一つ」こなす


資格の勉強にしろ日頃の業務にしろ、達成したいことがある時は、ゴールに向かってやるべきことを洗い出してリスト化し、優先順位をつけた上で一つ一つのタスクに期日を設けてこなしていきますよね。

副業の準備もまったく同様です。

いざ考え始めてみると「あれもこれもやらなくてはいけない?」「どこまで分かっていればよい?」など疑問点が生じてきたり、細かいことが気になり始めたりなどして、スムーズに進められない気持ちになってくるかもしれません。

そんな時は、今回ご紹介したように周りを巻き込み、サポートを受けながら一つずつ具体的なアクションプランに落としていってみましょう。

そうすれば、一歩ずつ着実に準備を進めていくことができます。

本職に加えて副業の準備を進めていくのは労力がいる、と感じてしまうかもしれません。

勇気をもって副業(起業)に向けて前に進んでみると、

・今までになかった楽しさや幸福感、
・本職以外にも収入源があることへの安心感、
・退職後のビジョンを描きやすくなるといった心の安定、

さまざまなメリットが得られるはずです。

あなたも副業への一歩を踏み出してみませんか?

この記事を書いた人
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