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適職診断は正確に!高校生から50代まで求職者全員が避けるべき選択肢

転職に際して適職診断を試みる場合、Web上では性格・適性などの観点から数多くの診断テストが見つかります。

自己分析の観点からは参考になるかもしれませんが、その結果のすべてが万人にとって正確とは限らず、診断結果として表示された分類・タイプに納得できなかった経験のある人は少なくないはずです。

適職を見つけることは、高校生から50代まで幅広い年齢にとって重要なテーマですが、適職を見つけるための正確な手法を知っている人はどちらかというと少数派です。

令和の時代に転職市場が活況となっているのも、求職者の本音を紐解けば「現職に不満はあるが、自分の適職を探す方法が分からない」ことが主な理由の一つと推察されます。

参照元: 転職市場活況、求職者が増加: 日本経済新聞

サイエンスライターの鈴木祐さんは、著書・科学的な適職の中で、仕事選びで陥りがちな幻想を、以下の「7つの大罪」として紹介しています。
 

  • 好きを仕事にする
  • 給料の多さで選ぶ
  • 業界や職種で選ぶ
  • 仕事の楽さで選ぶ
  • 性格テストで選ぶ
  • 直感で選ぶ
  • 適性に合った仕事を求める

この記事では、そんな7つの大罪を見事に・もれなく犯してしまった、「15回以上の転職歴」を持つ筆者の失敗談と、職業選択で避けるべき選択肢をご紹介します。

  

失敗①:好きを仕事にしようと試みて進学を失敗したケース

「好きを仕事にする」と聞くと、自分が「心から打ち込める仕事を発見する」ようなイメージがあります。

そのようなアプローチで求人情報を構成する企業も少なくありませんし、現代では誰にとっても納得できる動機の一つと言えるかもしれません。

しかし、この考え方は決して科学的なものとは言えないことが分かっています。

ミシガン州立大学が行った被験者の仕事観に関する調査によると、以下のような結果が出ています。

  • 「好きなことを仕事にしたい」と考える人の幸福度が高いのは最初だけ
  • 1~5年の長いスパンで見た場合、幸福度、年収、キャリアのレベルは「仕事は続けるうちに好きになるものだ」と考える人の方が高かった

筆者のケース

この調査結果は、筆者の経験においても当てはまる部分があります。

筆者は専門学校でDTMを学んでおり、やがては自分の曲で世界に打って出る野望を抱いていた時期がありました。

しかし、幼少期から音楽教育を受けていなかった筆者にとって、絶対音感を得ること・楽譜を読むこと・音源を動かすことなどのハードルは高いものでした。

現代では数多くのツールが発達しており、初心者でも気軽に作曲ができる体制を整えようと思えば整えられるでしょうが、当時の自分の実力では到底他の生徒に追いつけるものではありませんでした。

この点について、当時の自分は「音楽が好きならどんな障害も乗り越えられる」と根拠のない自信を持っていました。

結果からお伝えすると、地方都市から東京に出て、深夜バイトと専門学校の勉強を掛け持ちながら、1年間頑張ったところで体調を崩します。

もちろん進級試験には合格できず、そのまま退学を選ぶこととなりました。

好きで仕事を選んだゆえの、誰でも容易に想像できるような失敗談です。

 

失敗②:給料・待遇面を重視して失敗したケース

仕事をする以上、収入はその後の生活の充実度を決める重要なファクターとなります。

家計簿をつけるなどして、日々の暮らしにおけるランニングコストが明確になっている人なら、転職後の手取り額を計算するのがクセになっているかもしれません。

しかし、フロリダ大学などが行ったメタ分析によると、給料と仕事の満足度の相関係数は0.15という数値にとどまり、関係があると判断される0.5以上の値からは遠く離れていることが分かっています。

要するに、お金で幸せが買えないことが、科学的に証明されてしまったのです。

逆に「お金から得られる幸福」と「その他のライフイベントから得られる幸福」の度合いを比較したとき、具体的な数値はやはりお金よりもその他のライフイベントの方が大きいという結果が出ています。

具体的には、以下のような結論があげられます。

  • 年収が平均額から上位10%に上昇した場合よりも、仲の良いパートナーとの結婚から得られる幸福度の上昇率の方が767%も大きい(8倍以上)
  • 年収が平均額から上位1%に上昇した場合よりも、健康レベルが「普通」から「ちょっと体調がいい」状態に改善した幸福度の上昇率の方が6531%も大きい(66倍以上)
  • 離婚や失職に伴う幸福度の低下率は、年収が2/3減少したときの幸福度の低下に匹敵する


つまり、年収増に伴う喜びは、人間関係・健康状態の改善に伴う喜びに比べれば、圧倒的に小さいということです。

もちろん、お金に対する情熱や個人の価値観によって数値は変わってくるものと思いますが、それでも純粋にお金を増やす喜びだけで生きていける人は少数派と考えてよいでしょう。

 

筆者のケース

筆者の体験としては、過去に公務員として勤務していた時期を振り返ると、当てはまる部分が多かったように思います。

当時は専門学校を中退し、人生の挽回のため・安定した待遇を得るため公務員を目指していた時期で、勉強の結果何とか試験に合格することができました。

しかし、その後は職場の濃密な人間関係で、体調を崩すほど追い詰められました。

誰かが教えてくれたことが、他の誰かが言ったことと違うのは当たり前の環境だったため、仕事を覚えることにも難儀しました。

また、休みの日は先輩職員の趣味を手伝わされることも珍しくなく、そこに楽しみを見出せない自分にとっては苦痛以外の何物でもありませんでした。

家に帰ってからも、布団の中で上司や先輩職員の愚痴・文句が聞こえてきて、眠れない日々を過ごしていたのを覚えています。

給料は毎月一定額が支給され、家もタダで住めるという理想的な環境でしたが、決して幸せとは言えない生活を送っていました。

やがて、給料は少なくてもいいからプライベートが確保されている環境を目指し、事務職として民間企業に転職する意思を固めます。

退職を決めた瞬間は、本当にホッとしたのを覚えています。

関連記事:結局、年収はいくらあれば幸せ?研究結果に惑わされない「満足できる年収額」

 

失敗③:自分の将来の夢なんて当てにならない

衰退しそうな業界を避けつつ将来性の高い・安定した業界に行けるなら、そちらの方が安心できると考えるのは、人間の心理としては自然かもしれません。

しかし、求職者のみならず、専門家が業界・職種の未来を予想したとしても、その正確性には難があります。

仮に、人間が未来の状況を予想することが得意な種族だとしたら、新型コロナ禍における世界各国の首脳の迷走ぶりは犯罪レベルの悪事になるでしょう。

株式にせよ、外貨にせよ、仮想通貨にせよ、百発百中で未来の値動きを見通せるプロフェッショナルの人数が、残念ながらごくわずかなのは周知のとおりです。

このようにお伝えするのは、筆者の主観も少なからず混じっていますが、根拠となるのはペンシルバニア大学のデータです。

専門家の予想の精度について研究したもので、1984~2003年にかけて、学者・評論家・ジャーナリストなど248人の専門家を集め、数年後の経済・企業の状態・政治などの予想データがまとめられました。

結論から言えば、これらの予想は半々の確率(50%)でしか当たらないという結果が出ています。

よって、筆者の主観はそれなりに的を射ていたと言えるかもしれません。

これは業界の話だけでなく、わたしたちが人生を生きていく上で目指す方向性や興味の対象も、年々変化していくことが一般的です。

10年前に立てた目標を見事達成できたという人の数は、挫折した人の数に比べれば、圧倒的に少数派でしょう。

もちろん、この傾向にも調査結果という根拠があります。

ハーバード大学で2013年に行われたリサーチにおいて、研究チームは18~68歳までの男女19,000人を集め、好きな人のタイプ・趣味・お気に入りの職業などを調べ上げた上で、以下の2つの質問を行いました。

  • 今後10年であなたの価値観・好みはどこまで変わると思うか
  • 過去10年であなたの価値観・好みはどこまで変わったか

その結果、ほぼすべての被験者に、10年間で自分の身に起こる変化を過小評価する傾向が見られたそうです。

  

筆者のケース

筆者の場合は、10代は家庭用ゲーム機のソフトウェア開発に携わりたいという夢がありましたが、20代は税理士として独立したいと考えていました。

そして30代となった現在はWebライティングに携わり、結果的に独立する夢は叶えた形になりますが、やっていることはまったくの畑違いです。

当人としては、それぞれの年代でまっとうな理由があったわけですが、他者から見れば無軌道に生きているようにしか思えないでしょう。

よって、現段階で自分の将来を決め込んで転職活動をしても、当初のイメージとはまったく異なる結果につながる可能性があると言えます。

  

失敗④:仕事の楽さは人生の苦しみを生む

残業が当たり前の環境で、社員にハードワークを要求する企業は、現代ではブラック企業として敬遠されています。

仕事上のストレスは様々な病気を招くおそれがありますから、できれば心身に負担のない環境で働きたいと考えるのは当然のことです。

ところが、自分の能力と比較して楽過ぎる仕事に従事している人の場合、かえって幸福度を下げることが分かっています。

3万人の公務員を対象としたイギリスの研究では、重大な仕事をする人(ランクの高い人)に比べて、ランクがもっとも低い人は死亡率が2倍も高いという結果が出ています。

もちろん、強いプレッシャーを感じれば感じるほど健康に良い、という意味ではなく、重要なのはランクの高い人が持つ「恩恵」です。

上の地位に就くことで仕事の裁量権が自由になり、適度なストレスレベルを保ちやすくなるところが、この研究結果から学ぶべきポイントです。

関連記事:転職・独立でブラック企業ばかり選ばないために、市場価値を高める3つの戦略

ブラック企業への転職を避ける、将来的に自分が満足できる働き方を実現する、いきなりゴールを目指すのではなく自分の可能性を知ることが重要です。3つの戦略を順序よく進めることで、自分の市場価値を高め、より良い環境の職場に転職できる確率を高めましょう。

  

筆者のケース

筆者は公務員を退職後、経歴作りのため経理補助として民間企業に最初の転職をした際、そのあまりの長時間労働に嫌気が差してしまい、避難する目的でまったく畑違いのSE見習いとして転職したことがあります。

9時~17時までの定時で帰れましたが、当時の上司は非常に仕事に厳しく、日々発言や行動を律せられた記憶があります。

この頃の経験から、ダラダラと続けるだけではかえって思い通りに仕事が進まないこと・一つひとつの作業に目的を持って臨むことを学びました。

現在、個人で目的意識を持ってライティングを進められるのも、あの頃の経験が活きているなと感じます。

一方で、仕事に慣れるにつれて、社内の独特の雰囲気に違和感が強まっていきます。

会議に参加した際、上司が「トイレの水を流さない社員に罰則を与える」というテーマで30分近くを消費していたのを見て、人間は暇になると何を考えるか分からないと思ったのを覚えています。

その後、この会社で働き続けても自分の未来はないだろうと判断するに至り、地元では比較的大きな会社に経理職として転職します。

仕事の楽さ・苦しさは実際に働いてみないと分からないため、事前に判断が難しい問題ですが、できるだけ個人の裁量が大きい仕事を選んだ方が無難かもしれません。

  

失敗⑤:性格テストをするくらいなら占いに頼った方がマシ

職業診断・適性診断と聞くと、非常に科学的な印象を受けます。

しかし、その中身が「占いもしくはそれ以下」だったとしたら、あなたはどう感じるでしょうか。

例えば、エニアグラム の開発者は、ボリビア出身の神秘思想家であるオスカー・イチャーソとされています。

実際には複数人の教えに由来するという説もありますが、問題はそこではなく、エニアグラムの背景にスピリチュアルの要素が含まれているという点です。

エニアグラムは総じて主観的な解釈となっており、主な人間のタイプを9種類に分けているところは、さながら占術の一種・九星気学に通じる部分がありそうにさえ思えます。

また、その9種類の解釈は九星気学以上に自由なため、逆に言えば解釈能力次第で信ぴょう性が大きく変わってしまうリスクがあります。

例えば、書籍・科学的な転職の中では、9つのタイプのうち「タイプ6」について『信頼を求める人』と表現されていますが、日本エニアグラム学舎のサイトでは『忠実な人』と表現されています

参照元:各タイプの特徴 | 日本エニアグラム学会 

要するに、タイプをどう解釈するかが人や組織によって異なるので、かえって占いよりも答えが多数存在する結果につながりかねません。

だったらいっそのこと、占いに頼ってしまえばOKなのかと言えば、もちろんそうではありません。

筆者は方位学コンテンツも運営していますが、やはり当たるもの・当たらないものを見分ける目は大切です。

  

筆者のケース

筆者はかつて、不幸の原因を自分の性格や家族などに求めていた時期があり、宗教にハマる一歩手前のレベルまで占いに没頭していた時期があります。

やがて、本当に自分が幸せになれているのかどうかをノートにまとめ始めたところ、ほとんどの占いが外れていることに、半ば気付きながらも落胆した記憶があります。

その中で、唯一手を付けていなかったのが「方位に関すること」で、これで人生が好転しなかったら占いは一切信じないことにしようと覚悟を決めました。

複数の占い師から答えを聞いた上で、確実に開運できるであろう方位を選んだところ、紆余曲折を経て公務員から春夏冬ボーナスが出る会社への転職が決まったのです。

それから方位を真剣に学んで用いた結果、時間はかかりましたがライターとして独立することができ、結果として筆者の中に「どうやら方位は裏切らない」という確信に近いものが生まれました。

このようにお伝えすると、当然ながら「それはあなたの実力であって、方位の力ではない」と考える人もいるはずです。

しかし、まったくの未経験からライターとして独立したという事象のインパクトの大きさを、方位以外のファクターに求めることもまた難しく、現段階では方位がもっとも自分にとって説得力のある要素というのが筆者の見解です。

もちろん、占いを信じることは個人の自由ですから、ここでは深くは述べません。

ここでお伝えしたいのは、職業診断・適職診断といった類のサービスを利用するなら、そのくらいの感覚で用いるべきだということです。

  

失敗⑥:直感が正しい場合は限られている

直感を信奉する考え方は、時代背景・思想・国を問わず、それなりの説得力を持って語られてきました。

例えば、スティーブ・ジョブズは直感を信じて成功した人物として紹介されることが多いですが、凡人が同じように直感を信じて成功できるものなのでしょうか。

実のところ、残念ながら転職における直感信奉は当てになりません。

例えばチェスや将棋のように、ルールが厳格・練習回数が多い・回答がすぐに分かる分野でなければ、直感を信じることは難しいのです。

ボーリング・グリーン州立大学が行った2014年の研究で、研究チームは274人の学生にアンケート調査を行い、以下の5つの意思決定スタイル(人間が生まれつき備え持つ意思決定の様式)について調べました。

  1. 合理的:論理的に考えて選択する
  2. 直感的:直感や感覚で決定する
  3. 依存的:他者のアドバイスをもとに決定する
  4. 回避的:決定を引き延ばそうとする
  5. 自発的:できるだけ早く決定を終わらせようとする

研究チームは、被験者の友人・家族にもインタビューを行い、被験者の過去の選択とその精度についても確認しています。

その結果、直感的なスタイルを持つ学生は、自分の選択と友人・家族の評価にギャップがあることが分かりました。

すなわち、自分は納得しているのに他者の評価は低いという状況が浮き彫りになったわけです。

  

筆者のケース

これを踏まえ筆者の状況を振り返ると、ライターとしての筆者はあまり直感的なタイプではなく、どちらかというと決断するのに時間はかかる部類だと思っています。

ただ、これはもちろん昔からそうだったわけではなく、先にお伝えしてきた通り、数々の直感的な失敗を重ねた結果そうなっただけの話です。

もともと、筆者がライターとしてのキャリアをスタートさせた頃は、主に副業としてライティング専門のクラウドソーシングサイトで仕事をしていました。

そんな折、ココナラの存在を知ってライティングの商品を出品した後、たまたま高い評価を受けたことが独立につながっています。

自分を高く評価してくれたクライアント様とは、今なお良いお付き合いをさせていただいており、ライターとして記事を書くにあたっての具体的な分析方法・SEOに関する知見など、様々なことを学ぶ機会に恵まれています。

筆者は決して直感では成功できませんでしたが、その失敗が糧になって今があるので、直感を信じて行動するクセがある人は、いつか自分の来た道を見直してみることをおすすめします。

  

失敗⑦:求職者の「適性」はそう簡単に判断できない

職業診断・適職診断のサービスを探している時、よく見かける単語の一つに「適性」があげられます。

自分の持つ能力に合致した仕事が見つかれば、それだけ成果を出せる確率は高くなるものと考えられますが、問題は「適性を正しく見極められるかどうか」です。

心理学者のフランク・シュミット/ジョン・ハンターによるメタ分析では、仕事のパフォーマンスを事前に見抜ける適性検査につき、質の高いと思われるものを厳選して相関係数を求めたところ、以下の数値が算出されています。

  • 1位 ワークサンプルテスト(0.54)
  • 2位 IQテスト(0.51)
  • 3位 構造的面接(0.51)
  • 4位 ピアレーティング(0.49)
  • 5位 職業知識テスト(0.48)
  • 6位 インターンシップ(0.44)
  • 7位 正直度テスト(0.41)
  • 8位 普通の面接(0.38)
  • 9位 前職の経歴(0.18)
  • 10位 学歴(0.1)

1位にランクインしているワークサンプルテストとは、会社の職務に似たタスクを行ってもらい、その成績で評価する手法のことです。

実戦に即した試験内容のため、相関係数は相応の数値です。

残念ながら日本の企業の多くは、ランキング上位の検査でもインターンシップを行うケースがせいぜいであり、中途採用であれば8~10位あたりのテストしか行われていないのが現状でしょう。

また、ワークサンプルテストの相関係数0.54という数値は、決して手法の精度の高さを示しているわけではなく、Google社の人事担当上級副社長として活躍したラズロ・ボック氏によると、ワークサンプルテストで受験者の能力を説明できるパーセンテージは29%と説明されています。

参考書籍:ワーク・ルールズ! 君の生き方とリーダーシップを変える [ ラズロ・ボック ]

よって、それ以下の適性検査の期待度が微々たるものであることは、容易に想像できることでしょう。

  

筆者のケース

筆者の場合、家族からは「公務員が一番」・「安定が一番」という教育を受けて育ってきました。

しかし、そういった考えに反発する一心で、親に頼み込んで専門学校への進学を許してもらいましたが、結局退学してしまいます。

よって、退学後は道を選び直す選択肢が公務員以外になかったように思います。

公務員が自分に向いていないと分かった後、転職するにあたって自分が検討したのは「自分がどの職種に向いているのか」ということでした。

当時は何となく、営業職はノルマがあるから厳しいといったイメージがあったため、ノルマのない事務職として働きたいという気持ちが強かったのを覚えています。

ただ、一口に適性と言っても、当時は令和の時代ほど転職がメジャーでなかったこともあって、客観的に適性を調べる術がありません。

まさか自分が独立できる人間であるなど、思いもよらないことでした。

そこで、事務職を目指すなら目指すで、何か目に見えるものを手に入れようと思い、日商簿記2級を取得しました。

Web上の情報・転職関連の書籍などを読みあさり、最低限2級クラスの知識があれば、転職は認めてもらえると判断したのです。

しかし、不採用通知が数多く届く日々が続いたことで、経理職は未経験者に厳しい環境であることを知り、さっそく転職活動がとん挫したことに絶望しました。

やがて気を取り直し、まずはアルバイト・派遣で経験を積もうと考えたわけですが、初めて働いた職場は上司が朝9時から翌朝5時まで働くブラック企業だったのです。

当然ながら、筆者も近い時間まで働くことを暗に要求されます。

後々の転職で、諸々の業種で経理を体験する中、必ずしも経理という職種そのものに問題があるわけではないことに気付けました。

ただ、そもそも論で言えば仕事探しの段階で情報が不足しているわけですから、今思えば経理職への適性も怪しいものだと自己分析しています。

もし、私に経理職としての適性があるなら、独立などせず経理職としてのキャリアを積むことに集中していたことでしょう。

それをしなかったのは、自己分析を行う限り、以下のような理由からです。

  • 人間関係を円滑にする努力が足りなかった(もしくはできなかった)
      
  • 同じような仕事を毎日続けることがつらかった
      
  • 決算時の残業など、自分の時間が足りないことに強いストレスを感じた

結局、公務員を退職した状況と似たような理由から、経理職を辞していたことが分かります。

自分ひとりで適性を探すこと・知ることがいかに難しいか、筆者はその人生を振り返りながら痛感しています。

  

おわりに

以上、適職を正確に診断する上で、転職で避けるべき選択肢を体験談も含めてお伝えしてきました。

筆者のように極端な経験ではないとしても、少なからず似たような判断で失敗したケースは、誰にでもあるのではないでしょうか。

今回お伝えした7つの失敗は、多くの人の転職活動を見直すきっかけになるものと思います。

企業・職種について検討する前に、これらの知識を頭に入れておきましょう。

  

科学的な適職」では、そこからさらに一歩踏み込んで、幸せな転職を成功させるためのステップを多数紹介してくれています。

転職活動にお悩みの方は、ぜひ一度目を通して欲しいと思います。


  

◎参考書籍:

この記事を書いた人
オンラインスキルマーケット「Coconala(ココナラ)」にて各種ライティングに携わる。会員登録後半年で確定申告を検討するほど収入が増え、1年後には個人事業主として登録。経理職として幅広い業種への転職経験があり、人事系コラムの執筆も行っている。

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