40代からは投資もやっていきたい、そう考える人も多いと思いますが、では何に投資したらいいのか、ぱっと答えられる人は多くないでしょう。
投資に唯一の正解はありませんが、投資対象に悩むあまり、二の足を踏んでいるばかりではスタートが遅れてしまいます。そこで、ここではズバリ、
「世界株式インデックスに投資する投資信託を積立する」
という方法を、おすすめしたいと思います。
なぜなら、40代から始める投資は「着実に増やすこと」「時間をかけないこと」の2つが重要であり、世界株式インデックス投信は、その目的に最適だからです。
投資の目的はさまざまにあると思いますが、40代から始める人の念頭には、多かれ少なかれ「老後資金の準備」という意図があるのではないでしょうか。
しかし、40代からスタートは、老後資金準備のためには決して早いとは言えません。
それだけに、老後資金のためにする投資は、少しでも多く増やせることを意識したいものです。
とはいえ、だからといって、FXやCFD、ビットコインなどの仮想通貨に賭けるのはおすすめできません。
投資でリターンを得るためにはリスクは付き物ですが、ハイリスクすぎるのは考えものだからです。
関連記事:レバレッジ投資の魅力と怖さ
老後はいつか必ずやってきます。ですので老後資金は絶対に必要になるお金。
必要性の高い資金を、ハイリスクな手段でまかなうべきではないのです。
増やしたいお金ではありますが、「大勝ちを狙っていく」というよりは、「大負けを避ける」という考え方で、結果として「確実に増える」というリターンを得るのが、老後資金準備では大切です。
参考書籍: 敗者のゲーム [ チャールズ・エリス ]
「負けないゲーム」を選択することが投資で勝ち残るための最善な戦略と教えてくれます。投資を学ぶ上で必読の一冊です。
もう一点、「時間をかけない」ことを目標にすべきという点については、多くの人が同意するのではないでしょうか。
40代は仕事でも責任ある立場につき、忙しいもの。そのうえ家族との時間を持とうとすると、投資のための勉強や情報収集に割ける時間はごくわずかです。
ネット証券などを活用して、時間をかけることなく、効率の良い投資をしていくことが重要です。
投資信託は、運用の方針から、
に分けられます。
このうちパッシブ型は、経済指標(=インデックス)に連動することからインデックス投信とも呼ばれます。
ノーベル経済学賞を受賞したアメリカの経済学者マーコウィッツは、投資する資産の組み合わせによって、一定のリターンを、最大限リスクを抑えた形で実現できる、「もっとも合理的な投資方法」が存在すると提唱しました(現代ポートフォリオ理論)。
参考書籍: ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理 [ バートン・マルキール ]
全世界で読まれている「投資のバイブル」 1973年の初版以来、全米累計150万部を超え、「投資の名著」として絶賛されるベスト&ロングセラーです。
それこそ「大負けしない」投資であり、インデックス投資がそれにもっとも近いと考えられています。
株式の市場全体の値動きをあらわす株式指標として、日本株なら「TOPIX」や「日経平均」、米国株なら「S&P」などが知られています。
世界株式インデックス投信は、そうした株式指標のグローバル版である「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」などの指標をベンチマーク(目標)とした投資信託です。
簡単に言えば、全世界規模で見て株価が好調な時は高く、低調な時は安くなるように運用されている投資信託だということです。
結果として、現実の経済状況を追うような値動きをします。
長期的には世界の経済成長とともにゆるやかに増えていきます。
多くのノーベル経済学賞・ファイナンス理論に信頼を置いて、その結論である「インデックス投資」をそのまま取り入れる戦略は合理的、40代からの投資に適しています。
大負けを避ける投資が大事だとしても、一方で「少しでも増やす」という考えも手放したくないものです。
そこで、投資の対象(アセット)が重要になってきます。
投資信託ではさまざまな対象への投資が可能です。代表的なものが「株式」と「債券」ですが、このふたつは、原則として反対の値動きになる傾向があります。そして、どちらかと言えば、株式のほうがリターンを狙いやすいです。
債券の利息や譲渡額はある程度限定されていますが、株式の配当金や株価は、企業の業績次第で青天井だからです。
大負けを防ぐリスクヘッジの観点からは、できるだけ多くの投資対象に分散して投資するのが原則です。しかしながら、分散すればするほど、リスクは抑えられますが、リターンも目減りしていきます。
そこで、ここではあえて、リターン重視で、対象を株式に絞ると考えてみましょう。
アセットを分散していないことのリスクはありますが、日本株や米国株に限定せず全世界株として、投資地域を分散することや、そもそもインデックス型の投信を選ぶことによってリスクを抑えます。
以上が、世界株式インデックス投信が「増やす」を目的とした投資に向いている理由です。
インデックス投信への投資は、「時間をかけない」という点でもメリットがあります。
インデックス投信の投資は、暴落などの大負けが少ないため、基本的には、商品を選んだら、あとはほったらかしでもいいからです。
ネット証券の自動積立機能などを使って、毎月一定額を購入し続けるだけでかまいません。
同じ額を購入し続けることには、日々の値動きによるリスクも、長期的には抑えられていくという効果もあります。
こうした投資手法を「ドルコスト平均法」と言います。
もし、アクティブ型の投資信託に投資するとしたら、経済状況などから激しい値動きをする可能性があるため、日々のニュースチェックや、それにともなう、買い増しや損切りのための売却といったメンテナンスに時間をとられます。
それだけ手間をかけたとしても、必ずしも成果が出るとは限りません。
アクティブ投信は信託報酬などの手数料が高いため、コストを考慮するとリターンが目減りします。
そのため、長期的な統計ととると、アクティブ投信の成果は、インデックス投信に勝らないという説もあるのです。
それならば、ムリに手間ひまをかけず、リターンは平均点で良いと割り切ってインデックス投信に投資し、浮いた時間を趣味や家族のために使うことを本サイトではベストの戦略と推薦いたします。
関連書籍: なぜ投資のプロはサルに負けるのか? あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方 [ 藤沢数希 ]
プロが成果を凌ぎ合う市場で最適な投資戦略はインデックス投資(市場の平均)に従った分散投資がもっとも合理的な方法。ファイナンス理論を織り交ぜて、わかりやすく説明してくれる良書です。
40代からはじめる投資は、どのようなものが適しているのかを考えました。
老後資金がおもな目的になるため、リスクは抑えて「着実に増やす」ことを考えたいもの。そこで、「合理的な投資方法」としてのインデックス投信が向いています。
一方で、できるだけリターンも得たいため、投資対象は株式を選択します。結果、世界株式インデックス投信がおすすめとなります。
もうひとつの視点として、40代からの投資は「時間をかけない」ことも大切。その点でも、自動積立などを活用した「ほったらかし投資」に向いたインデックス投信は適しています。
効率的な資産形成を目指して、投資を考えている方に参考になればさいわいです。
◎参考書籍