やっとのことでたどり着く転職先への入社。
人、場所、仕事などすべてが新しくなる転職後の職場に不安やストレスは付きもの、感じるのが当たり前です。
パーソルキャリア株式会社 / doda(デューダ)が2019年3月におこなった「転職に関するアンケート」によると入社直後(1~3か月)の間にストレスがあったと回答した転職者は実に80.7%にもなります。
今回は、どのような不安やストレスがあるのか、その原因と対処法について解説します。
入社を控えた人も、入社後の今、不安やストレスでいっぱいの人も、一日も早く不安を緩和・解消するために、ぜひ、参考にしてください。
転職後に起こるストレスや不安に対する心構えについて説明します。
転職で入社した直後は、ストレス要素が多くなります。
慣れない場所、初対面の職場の人たち、勝手の異なる仕事が一度に押し寄せる時期だからです。
変化による緊張からのストレスなので、決してネガティブなものではありません。
この点は、社内の人たちも理解している事実です。
人によって程度の差はありますが、毎日新しいことが続発する時期なので、徐々に蓄積され、はじめの1ヶ月あたりがストレスのピークになると考えられます。
通勤や仕事の流れ、細かな会社のルール、そして職場の人たちに慣れてくれば、ストレスは減っていきます。
慣れないことに対して感じていた不安も自然に解消されるものも多いです。
ただ、この大変な時期に、ストレスや不安に押し潰されてしまう、もしくは、周りにそういう印象が根付いてしまうと、職場に馴染むまでの時間がさらに長期化する可能性があります。
転職後のストレスや不安は必然とはいえ、適度に自分でコントロールしていく意識が大切です。
では、転職後に起こりやすいストレス要素と、その対処法について説明します。
転職直後の仕事では、細かいことまで逐一、教わらなければ進められないことが増えます。
たとえ、前職と同じような内容でも、その感覚の違いは大きいです。
関わる人、進め方、使うシステム、新しく覚えることばかりでしょう。
一つひとつの仕事に予想以上の時間を要してしまうこともあり得ます。
今までと違うということに加えて、ペースが遅いと感じることがストレスとなるのです。
それを自分の能力不足と決めつける必要はありません。
誰もが通る道だからです。
時間がかかったとしても、ひとつひとつを着実にこなすことを心がけましょう。
慣れないオフィスで、誰に聞くのが適切なのかも分からない中で進める仕事に、言い表し難いプレッシャーを感じる人もいます。
はじめのうちは、知らずに抜けてしまう職場のルールもあるかもしれません。
それは、知ってしまえば、ごく初歩の単純なものということもよくあります。
どんな背景があったとしても、慣れない環境の中で、自分がそのような抜け漏れやミスをすることがストレスになるのです。
しかし、こんなことも一人前にできないのかと自分を悲観する必要はありません。
その一回一回が、仕事を覚える機会となっていきます。
その場の修正だけでは、あとからあとから覚えることが押し寄せてくるので忘れる可能性が高いです。
正しいやり方を聞き、メモを取ったりしながら、確実にものにすることに努めましょう。
前職で活躍していた人ほど、転職後にも同じような充実感を求めがちです。
入社初期は、すべてが新しくなるわけですから、成果にたどり着くのは簡単ではありません。
なかなか成果が出ないこともあります。
求めれば、成果が出ないことがストレスになるでしょう。
入社してすぐは、自分の仕事の成果より優先すべき大事なことがあります。
一日も早く仕事に関わる人たちに馴染むことです。
人間関係をスムーズにすることが、一日も早く仕事で成果を出すことにもつながります。
すべてが円滑になり、新しさへのストレスがなくなれば、数段上のやりがいが待っているはずです。
転職直後は当たり前といわれるストレスや不安も、放置してはいけません。
当たり前のこととはいえ、心身は毎日大きな負担と戦うことになるからです。
環境や仕事に慣れるまでは、そのストレスや不安から完全に解放されることはありません。
ストレスや不安の蓄積に耐えられなくなると、ミスが続いたり、心身の健康を害したりすることもあります。
そうなれば、せっかくの転職も台無しです。
過度に溜め込まないように意識すべき時期だということも心に留めておきましょう。
過剰なストレスが断続的になると、些細なことや、それまで気にならなかったことにも不安を感じるようになってしまう人もいます。
これは、ストレス過多に対する自分の内側からの反応です。
ここまでくると、仕事への影響も頻繁になり、悪循環となる可能性が高くなります。
転職後は、いつもより自分に寛容になって「ま、いっか」の精神でいることも大事なのかもしれません。
新しい職場で頑張りたい!と意気揚々の時期かもしれませんが、そんなときこそ、優先的に、プライベートの計画を立てることをおすすめします。
入社初期に休日以外の休暇を取ることは難しいでしょう。
この場合のプライベートの活動とは、平日の仕事帰りや休みの日に楽しめる趣味や運動などのことです。
ストレスが溜まると、疲れから活動量を減らそうとする意識が働くようになります。
そして、予定がないと、仕事のことだけを考える毎日になりやすいためストレス発散の機会を逃してしまいやすいのです。
ですから、事前の計画がポイントとなります。
「短時間」で「近場」で「手軽」に取り組めるものを選択しておくと実行しやすいでしょう。
何でもいいのですが、何も考えずに没頭できる時間を確保することが大切です。
仕事とはまったく関係がなく、仕事とは異質のものを選ぶと効果的です。
たとえば、仕事で外回りや人と接することが多い人は、ゆっくりのバスタイムや映画鑑賞など。
研修や事務作業で座りっぱなしという人は、身体を動かしたり、緑の多い場所で過ごすのもいいかもしれません。
職場の人間関係は、ストレスにも仕事にも大きな影響を与えます。
転職後のストレス要素の項目でも触れましたが、転職先に入社してすぐの時期は、職場の人たちにできるだけ早く馴染むことを最優先にして過ごされることをおすすめします。
話せる人、相談できる人、質問できる人、助けてくれる人といった仲間が増えるほど、職場の居心地は良くなり、仕事もスムーズになっていくからです。
初めて会う人ばかりで緊張することもあるかもしれません。
ただ、周りの人たちも、新しく入った社員に、同じような緊張感を持っていることもあり、自分から話しかけていく姿勢は歓迎されることが多いです。
まずは、基本的な挨拶や質問などをきっかけにしていきましょう。
一回一回は短くて構わないので、できるだけこまめにコミュニケーションを取るようにしてみてください。そういった、毎日の触れ合いの中で、新たな情報やルールを聞けることもあります。
名前を覚えて意識して呼ぶようにするのも効果的です。
徐々に、自分のできることや得意なことを知ってもらい、同時に周りの一人ひとりのできることと得意なこと認識し、仕事の連携や協力につなげていきましょう。
転職してすぐの時期というのはストレスや不安がいつもより多くなります。
放置せず、能動的に対処や解消を心がければ、ストレスや不安に振り回されることもなくなります。
ストレスや不安から解放されるには、早く職場に慣れることが一番の対策です。
転職した直後は、仕事でキリキリ舞いの状況になりやすいですが、自分をいたわる意識もしっかり持っておきましょう。
新しい環境でストレスを感じるのは普通の事です。不安に感じ過ぎる必要はありません。
くれぐれも焦らず、自分の心をしっかりとケアしていきましょう。