2022年11月2日
40代の転職で面接指導塾利用者が急増している理由
転職市場が求める年齢層は、年々上昇傾向にあり、40代の前半を中心に幅広いチャンスが得られるようになりました。
一方で、書類選考・面接で思うような成果を出せない人も少なくなく、自分の弱点克服・自己PR能力向上を目的として「面接指導塾」を利用する人が急増 しています。
中には、150件以上に応募したにもかかわらず不採用が続き、自分が社会に必要とされていないのではないかと考えてしまう人もいるようです。
応募件数を考えればもっともな話ですが、逆にそこまで落ちてしまうようなら、あえて視点を変えて「年齢以前に何か明確な理由がある」ものと考えた方が納得できます。
ただ、年齢と失業者数のあいだには相関関係があることもまた疑えず、40代の転職では考慮すべきファクターとなっています。
総務省統計局の「労働力調査（基本集計） 2020年（令和2年）12月分結果」における、年齢階級別完全失業者数を見ると、2010年の完全失業者総数が334万人であるのに対し、2020年は191万人となっており、10年の間に失業者数は大幅に減少していることが分かります。
しかし、各年齢別の失業者総数を比較してみると、以下のような結果が出ています。
上記の表を見る限り、ほとんどの年齢層が50%近い減少率となっている中、45～54歳に関しては減少率が低いことが分かります。
このことから、45～54歳という年齢で転職活動を行っている人は、転職市場においてニーズが少ないとは言わないまでも、思うような結果が出ない可能性が高いことがうかがえます。
関連記事：転職エージェントの対応が悪い？40代からの転職を成功させるコツは？
転職するには難易度の高い年齢層である45～54歳の求職者は、それを踏まえた上で戦略を立てなければなりません。
とはいえ、年齢に起因する問題をどう解決すべきなのか考えた時、打てる手の範囲は思いのほか少ないでしょう。
現職で十分な経験を積み、心身のアンチエイジングを試みて柔軟性を回復したとしても、年齢を巻き戻すことはできないからです。
そこで、自分のことを応募先に正しく伝え、自分が応募先にとって有用な人材であることをアピールする技術を身に付けるため、面接指導塾が行う面接対策に注目する人が増えてきています。
ひょっとしたら、面接指導塾と聞いても馴染みがない人もいるかもしれませんが、面接に特化した転職サポートは、年齢問わず求職者が受けるべきサービスの一つです。
なぜなら、面接は本番一発勝負の要素があり、事前にレクチャーを受けるか受けないかで、その出来が大きく変わってくるからです。
40代を迎えて、人材として求められる基準が高くなる中、面接で話すべき内容を洗練することは必須条件です。
失言をしてしまったり、根拠なく自信のない態度を見せたりすれば、多くの面接官はその点をシビアに評価します。
より良い条件の企業に転職するためには、書類選考に加えて、面接・応対を高いレベルで仕上げる必要があります。
また、面接で話す内容をしっかり構築するには、最低限自分のキャリアを書類に落とし込む必要がありますから、面接で良い印象を残せる人は当然ながら書類選考も通りやすくなるでしょう。
この記事では、上記のような事情を踏まえつつ、40代の転職で利用したい面接指導塾の概要と、その利用者が急増している理由について、詳しく解説していきます。
関連記事：【面接で受かる確率を上げるテクニック】転職の科学が考える「転職の技法」
求職者が面接指導塾で学べること
面接指導塾とは、広く「面接の場で自分をアピールできる能力」を身に付けるの塾のことです。
基本的には、就転職時の面接対策として行う模擬面接が主な講座の内容となりますが、プレゼンが苦手という人がその対策として受けるケースもあります。
求職者および受講希望者の支援プログラムは、面接指導塾によって多少の違いはあるものの、概ね以下のような構成となっています。
- 民間企業への採用を目的とした面接指導
- 公務員になることを目的とした面接指導
- 新卒向け面接指導
- 中途採用者向け面接指導
- 中堅／シニア向け面接指導
- ポジション／業界／企業分析
- イメージトレーニング
- 就活カウンセリング など
面接指導というサービスが軸となっており、職種や立場・年齢ごとにカリキュラムが異なるイメージです。
よって、基本的には年齢問わず、誰でも受講できる内容となっています。
また、面接指導の過程で添削を行ってくれるサービスもあり、応募書類の作成が苦手という人も安心して利用できます。
面接全般に苦手意識を持っている人はもちろん、思うような結果が出ていない人・そもそも書類をまとめる時点で頭が回らない人にも役立つサービスと言えるでしょう。
40代の転職で面接指導塾が重視される3つの理由
転職のサポートとしては、面接にとどまらず幅広い範囲で相談に乗ってくれる面接指導塾ですが、特に40代で面接指導塾を重視する理由は、大きく分けて3つあります。
応募年齢を考えると当然想定しておかなければならないポイントもあれば、面接指導塾ならではのメリットもありますから、サポートを受ける前に少なくとも以下の3点は確実にチェックを入れておきましょう。
臨機応変な応対が可能
面接は、つまるところ人間同士のコミュニケーション・会話から始まりますから、四角四面に質問と回答を繰り返すだけで終わるものではありません。
もちろん、企業によっては必要最小限・短めに回答するのが望ましいとするケースもあるかもしれませんが、多くの場合、応募者は予期しない質問・態度への臨機応変な応対が求められます。
落語家の笑福亭鶴瓶さんは、エッセイストの阿川佐和子さんとのインタビューにおいて「トークは生もの」 という名言を残していますが、トークは話しているうちにどこへ飛んでいくか分からないものです。
そして、面接の難しさであり醍醐味でもあるのが、トークという「不確定要素をはらんだ行為」が応募者の人生を決める点です。
こういった面接の現場において、臨機応変な応対ができるよう訓練するためには、指導経験が十分な講師からサポートを受けるのが有効です。
何度も訓練を続ける中で、面接の雰囲気にも慣れ、イレギュラーや尖った質問にも対応できるようになるでしょう。
面接の「生の部分」は、ある程度面接官に仕組まれている
先ほど、トークは生ものという名言をご紹介しましたが、面接は「面接する側」が会話の主導権を握るケースが大半であり、言わば応募者という魚をさばく調理人です。
半ば「まな板の鯉」となった応募者は、面接官から投げかけられた諸々の質問に回答し、面接官はその回答を聞いて採否を判断します。
企業によっては、ストレス耐性をチェックするため、あえて威圧的な態度をとったり、答えにくい質問をしたりする「圧迫面接」という手法も採用するケースもあります。
現代では時に求職者からパワハラと受け取られるリスクもあるため、今後は減少に向かうものと予想されますが、面接官の態度によっては応募者が委縮してしまう可能性もあります。
このように、面接の傾向は、業界・社風・職種・面接官の性格など、複数の不確定要素により変動します。
そのため、どういった人間が相手であっても、自分の強みを100％アピールできるよう訓練が必要です。
面接指導塾を利用するメリットはこの点にあり、いかなる質問をどんなタイミングで受けても、それらを自分の長所に結びつけてアピールできるよう、講師の指導の下で訓練していきます。
話す内容をまとめ、話し方を改善して、面接の基本的なマナーを理解することにより、どんな条件の面接でもベストを尽くせるようになるのです。
面接のロールプレイングや模擬面接は、転職エージェントでも行ってくれるサービスがあります。
しかし、面接に臨む前に自分の基礎・根幹となる部分ができていなければ、予定調和が崩れた時に何を話せばよいのか戸惑ってしまうことでしょう。
定番の質問を無難に回答したつもりでも、その前後の質問内容によっては不適切な回答と評価されてしまうリスクがあります。
面接官があえてエッジの利いた質問をぶつけてきた時、それに乗るのか否定するのかによっても、自分の評価が変わります。
例えば、自衛官の採用試験の面接で、日本の戦力保持や核保有に関するスタンスについて意見を聞かれたとします。
この点においての模範解答は、必ずしも肯定的な発言・否定的な発言の二択とは限らず、第三の提案をする・シビリアンコントロールの原則にもとづく回答をするなど、応募者の応用力や教養次第で実に多種多様な回答が予想されます。
一般的な企業面接で、そこまで自分の立場を明確にしなければならない質問をぶつけられることはまずないでしょうが、経済動向や業界分析の込み入った話になると、否応なしに自分の意見を伝えなければなりません。
40代・50代は、そもそも求められる能力や経験値が高い水準にあるため、基礎がしっかりしていないと面接もおぼつかないのです。
ただ、転職を検討している段階で、相応のキャリアは積んでおり、自信もある人がほとんどだと思います。
だからこそ、自分を臨機応変にアピールする能力を、面接指導塾で学んでおくことが大切です。
業種・職種に特化した模擬面接も
面接指導塾が本番前に行う訓練カリキュラムの中で、非常に大きな部分を占めているのが「模擬面接」です。
模擬面接という形で、実際の面接に近い状況を何度か体験することにより、自分の改善点を洗い出しつつ本番の緊張感を緩和することができます。
ただ、面接指導や模擬面接自体は、転職エージェントなど他の転職系サービスでも行っています。
面接指導塾とそれ以外のサービスとの大きな違いは、面接にかける時間と労力の多さ・深さです。
優秀な面接指導サービスでは、単純に講師が面接官役となって実際の面接の場を体験するにとどまらず、本番さながらの臨場感を味わいながら訓練ができます。
逆に、多くの求職者を抱える転職エージェントできめ細かいサービスを受けるのは、残念ながら難しいと考えてよいでしょう。
なぜ模擬面接の質が重要なのか
模擬面接は、ただ複数の転職エージェントで無料の模擬面接を受ければ十分というものではありません。志望する業種・職種を掘り下げて理解し、志望する企業文化に溶け込もうとする努力が重要です。
40代以降の転職では、転職動機・将来の希望の中で、どんなキャリアプランを思い描いているのかを伝えるだけでは不十分です。
これまでの行動を根拠として、なぜ自分がその業種・職種・企業を選んだのかについて、貢献できる範囲も含めて伝えなければなりません。
転職の機会を過去に何度も経験している場合や、現職で日常的にアピール・プレゼンの機会が多い職種から転職する場合を除いて、多くの人は面接をこなすことに慣れていません。
業種・職種・企業ごとに異なる質問内容に合致するよう、回答の内容を工夫する時間も欲しいところです。
さらに、自分の適性や話し方を踏まえ、無理のない形でアピールポイントを構成する必要もあります。
このような事情から、ただ定番の模擬面接をするだけでは「準備不足」だと言えるでしょう。
業種・職種研究をカリキュラムに含めた模擬面接・対策ができる場というのは、転職市場が成長している現代でもそう多くありません。
もちろん、面接の重要性は多くのプロが理解しているところですが、面接対策が充実しているサービスはまだまだ少数です。
新卒採用時に業界研究を経験した人も多いと思いますが、業界研究の内容が浅いと、志望動機・自己PR・回答のすべてにおいて浅いレベルのものしか用意できません。
例えば商社の転職を検討している40代が、志望動機で「世界に股をかける仕事がしたい」などと薄い発言をしたら、真っ先にふるいにかけられることでしょう。
もちろん、そんな陳腐な回答で終わる経験しか積んでいない40代は、ほとんどいないはずです。
ただ、経験はともかくアピールに関しては、緊張して本番を迎えると往々にしてその程度のレベルの言葉しか出てこないものです。
質の高い模擬面接を繰り返すことで、今まで考えたこともなかった自分の弱点に気付けますし、目標とする企業への転職に向けた道筋も見えてきます。
面接に向けて準備するうちに、自分の専門分野を洗い出すことができますから、万一目標の企業に今一歩手が届かなかったとしても、次のチャレンジに向けた行動を起こしやすくなります。
特に、個人の能力・適性に合わせて受け答えをブラッシュアップする過程は、面接を専門に指導するサービスでなければ、なかなか時間をかけて指導をもらうのは難しいでしょう。
それゆえに、徹底的に面接対策を行うことの重要性に気付いた人は、面接指導塾のようなサービスに大きな価値を感じられるはずです。
自信を持って面接に臨める
面接指導は、回数を重ねるにつれて、自分の良いところ・悪いところが見えてきます。
良いところを伸ばし、悪いところを改善することで、次第に自信がついてきます。
面接指導に限った話ではありませんが、適度な自信は本番で自分の実力を十二分に発揮するための助けになります。
何も練習していない人と、徹底的に練習した人とを比較した場合、一部の天才を除いては実力差がハッキリ見えてくるものです。
複数の応募者をチェックする面接官の視点から見ると、評価できる人・できない人の差は明らかです。
相対的に応募者のレベルが低い場合、対比効果もあって、その分採用される確率は高まることでしょう。
練習は本番のように、本番は練習のように
アイドルグループ「少年隊」の一人として、今なお衰えぬ輝きを見せる東山紀之さんは、同じジャニーズ事務所の後輩であるTOKIOの城島茂さんに対し「練習は本番のように、本番は練習のように」というアドバイスを与えたそうです。
本番を想定して徹底的に練習した後、厳しい練習の延長線上に本番を設けることで、さながら練習の厳しさ通りに本番を演じ切ることができるというわけです。
面接は舞台の要素もあり、一度面接の場に立てば、自分の力で自分を表現する必要に迫られます。
しかし、表現すべき台本はないようで実は存在しており、上手く演じ切れば企業から拍手喝采で迎え入れてもらえます。
一発勝負のため後戻りはできず、一回一回・一瞬一瞬が勝負です。
そのような場面で自分を奮い立たせてくれるのは、やはり今まで努力してきた自分・様々な人生の側面を経験してきた自分への自信です。
「自信」と聞くと、漠然とした表現に聞こえるかもしれませんが、決して馬鹿にできません。
自信が雰囲気に現れている人は、仕事ができるようにも見えますし、その人物の頼もしさ・信頼感などにも大きく影響してきます。
書籍「嫌われる勇気」で一躍有名になった心理学者、アルフレッド・アドラーは、以下のような言葉を残しています。
『勇気があり、自信があり、リラックスしている人だけが、
人生の有利な面からだけでなく、困難からも益を受けることができる。』
面接という困難な場において、それをチャンスに変えて自分の有利な状況に持ち込むためには、やはり心からの自信が不可欠です。
そして、心からの自信を醸成するには、やはり繰り返し練習するのが王道であり、近道です。
自信というものは、決して漠然とした雰囲気・状態だけを意味した言葉ではありません。
あえて自信のある人が見せる態度や表情などを具体的に表現すると、以下のような特徴が見られます。
- 努力に裏打ちされた堂々とした態度
- 「あれだけやったのだから」と覚悟を決めたことで生まれる落ち着いた呼吸
- 伝えるべき内容を完全に構築した上でのまっすぐな視線
- 「伝えなければならない」ではなく「伝えたい」というニュアンスで発する声の調子
この他にも、自信を持っている人の所作には、周囲にポジティブな影響を与える要素が数多く見られます。
面接指導塾で日々指導を受けながら、面接対策・模擬面接を重ねていけば、中途半端な対策しか講じていない人に比べて大きな成果をあげることができるでしょう。
面接・応対に少しでも不安が残る状態で採用試験の場に臨んでしまうと、どうしても自信のなさが見え隠れしてしまい、採用担当者もそこを突いてきます。
もちろん、それが仕事なので致し方ない話なのですが、時には採用担当者に怒りさえ感じることもあるでしょう。
しかし、面接指導塾で厳しい指導を受けて、時に人知れず涙を浮かべた経験があるなら、採用担当者の思惑を見抜くことも決して不可能ではありません。
揺るぎない自信を獲得できれば、面接の場の雰囲気を読み取れる余裕が生まれますから、転職活動で自分に自信を持ちたい人は面接対策に力を注ぐべきです。
面接指導塾を上手に活用して40代の転職を成功させる
以上、40代の転職で利用したい面接指導塾の概要と、その利用者が急増している理由について、詳細をお伝えしてきました。
書類の書き方が分からず、採用書類の書き方についてレクチャーを受ける人は多いですが、面接対策を重視している人は意外と少ないものです。
それだけ、自分のコミュニケーション能力・アピール能力に自信を持っている人が多いのかもしれませんが、中途半端な自信はやがて打ち砕かれ、大きな不安に変わってしまうことでしょう。
40代の転職において、面接は非常に重要な意味を持ちます。
なにしろ、人によっては経営に携わる業務さえ経験するような年代ですから、履歴書と職務経歴書を合わせて数枚で終わるキャリアとはいきません。
だからこそ、採用担当者・面接官は、面接によって応募者の人となり・魅力を探り出そうと、あの手この手で揺さぶりをかけてきます。
逆に、シンプルな質問に終始し、その人の本質を見極めようとするかもしれません。
面接指導塾を利用するメリットは、端的に言えば「志望する業界・企業の面接を、余裕を持って迎えられるだけの大きな自信がつく」という点に集約されます。
面接指導の中で、自分のコアになる知識・経験がすでにブラッシュアップされているため、些細なことで動じないメンタルが構築できるのです。
どんな対応をされても、どんな質問をされても、揺らぎない自分のコアができていれば、回答にブレが生まれることはないはずです。
このようなメリットがあるため、面接指導塾のようなサービスは、本気で転職を成功させたい・より良い条件の企業へ転職したいと考えている人から、高い評価を獲得しています。
ここまでメリットをお伝えしてきても、面接指導塾と聞くと「そこまでやるべきかどうか悩む」ような人は、決して少なくないはずです。
しかし、根拠がない中で漫然と悩んでいるくらいなら、徹底的に面接対策、強化を行うべきです。
そもそも、面接の対策をするかどうかの時点で「悩む」とか「迷う」という単語が頭に浮かぶ人は、その時点で面接対策が不十分だと考えられます。
なぜなら、面接対策を軽視していながらも、そのままの状態で面接を受けることにいくばくかの不安を感じているからです。
自分自身で納得した状態で面接に臨むためには、不安を感じている要素を洗い出し、それらを一つひとつ潰していくことが大切です。
本心ではまだ「面接の悩みや不安がぬぐえない」という人は、やはり一定期間・集中的に面接指導を受けることをおすすめします。
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※出典元：東京三澤面接塾
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